SKYLINE GT-R (BCNR33-000599) 


R33 GT-R

R33 GT-Rの参考モデルが発表された'95のモーターショー。R32 GT-Rのオーナーとしては当然興味深々だったが、実物を目にした印象は(-_-;) 「か、格好悪ぅ」
まぁ、実際の市販モデルはデザイン見なおしが行われ、かなりマシにはなったけれど、基本的にタレ目はイカン。GT-Rたるもの、やはり前の車のバックミラーに恐怖を与える顔でなくては(^_^;)

ところで、本当はGT-RはR32で終わりにしたほうが良かったと思っている。グループAレースを制覇するために復活し、負けなしの29連勝でその使命も完全に達成したのだから、グループAの廃止に伴って、GT-Rの名もまた栄光ととも封印されるべきだったと。
だが、日産はGT-Rを存続させた。この結果、GT-Rはレースの栄光を背負った輝けるマシンではなく、単なるスカイラインという車種の最高グレードモデルに過ぎない存在となった。この選択が正しかったかどうかは賛否両論あると思うが、R33 GT-Rの販売成績がひとつの答えを物語っているのではないかと思う。

・・・といいつつ、R33 GT-Rが出てまもなく買い換えている私 (-_-;)。それはディーラーの営業の一本の電話が発端だった。「GT-Rの試乗車があるんだけど、乗りに来ませんか?」
買い換えるつもりは全くなかったのだが、乗ってみたい気持ちは当然あったので、そそくさと出かけ、適当に試乗し終わって、コーヒーを飲んでいると、営業は俺のR32を勝手に査定し、商談を始めたのである(よく考えれば、売るつもりがないのに呼ばないよね。甘い私。)。最初は全然そんな気持ちがなかった私も、新車の匂いにヤラれてしまい、ついフラフラと契約してしまったわけ(チョロい客だね)。

さて、乗り換えたR33 GT-Rの印象は・・・・
バブルの申し子とも言えるR32と比べるのは酷なのかもしれないが、色々な個所にコストダウンの跡が見られるのはうれしくない。窓枠のゴムが1年乗らないうちに白い粉を吹いて劣化してきたのはびっくりした(シルビアもR32もこんなことは無かった)。エアコンの外気温度計はなくなり、ラジオのアンテナはガラスアンテナからロッドアンテナになり、フッ素樹脂塗装はオプションになり・・・・。また、当然といえば当然だが、パワー感の面でシルビアからR32に乗り換えたときのような感動がなかったのも、満足感としてはマイナス(中速トルクの味付けのせいか、R32の方が荒々しくパワフルに感じたくらい)。

それから、あのフロントスポイラー。雑誌で最高速テストを行っているR33 GT-Rの写真を見るとわかるが、素材がヤワいので、風の抵抗でだらしなく内側にひん曲がるのだ。曲がった状態でまともに風の抵抗を受け止めるので、取り付け部のネジにかかる力は相当なもので、2XXキロで走行中にバコン!!と大きな音をたてて取り付け部がズレたときは何が起きたのかと思った。

一番がっかりしたのは、宣伝文句の「マイナス21秒ロマン」が誇大広告だったこと。これは、ドイツ、ニュルブルクリンク・オールドコースという過酷なサーキット(F1レーサーのニキ・ラウダが、大火傷を負うクラッシュをしたコースとしても有名)を、R32 GT-Rが記録した1周8分20秒に対して、7分59秒で周回した、という意味なのだが、使われた車が400psはあろうかというスペシャルマシンなのだ。そんな車で出したタイムを宣伝コピーに使うことが、何の意味を持つのだろうか。ドーピングで出した記録は認められないぞ。
あと、発売後数年経ってからの話ではあるが、ステージアにRB26DETTを移植したのも許せなかった(そのステージアに買い換えを勧める営業も、何を考えとるんじゃ、という感じですが)。メーカーとすれば、車が売れさえすれば良いのかもしれないが、日産のこういった施策は、GT-Rの“格”を自ら下げるもので、ファンとしては納得がいかない。

・・・・というわけで、R33 GT-R、愛車といいつつ、愛着を感じさせるには幻滅する点が多すぎました(といいつつ、初めて車検を通した車だったりするんですが)。

左は、IMPULから出ているダミーのフュエルリッド(ガソリン注入口)。耐久レースイメージで付けて見ました。ハッタリですね。
空き缶ポイのごみ入れとも言われています。

さてさて、このR33クン、注ぐ愛情が足りなかったからかどうか定かではありませんが、ある日乗ろうと思ったらリヤタイヤがブロックに化けていたことがありました。
挙句の果てに、次のR34 GT-Rの下取り車としてあと1週間でお別れ、というときに、ある朝突然私のもとから去っていってしまいました(要は、盗まれたんですが)。
両方とも、車両保険に入っていたおかげで助かりましたが、保険に入っていなかったら、と思うとぞっとします。リヤタイヤ2本で30万、下取り価格300万ですからねー。
今ごろロシア大陸にでもいるんでしょうか。ちゃんお別れがしたかったっス。

出口